小林公夫の「愛(め)でたいモノたち」

作家で法学者である、ハカセ小林公夫が好きな服や、小物、本、好きなお店、料理など様々な好きなモノについて語るページです。

心臓外科医の須磨久善先生の言葉(小林公夫)

「命と命はつながっている」という、この言葉は、色紙に書かれているように、心臓外科医の須磨久善先生の言葉です。手術名の認知度がドラマで先行してしまい、あと付けになってしまいましたが、須磨先生と言えばバチスタ手術の日本での先駆者です。日本で第1例目を施行されました。

この色紙を頂戴したのは、私が一橋大学で研究を始めて数年した頃ですので、すでに20年も前のことです。私は研究の当初、実験的治療行為を研究テーマにしており、神奈川県の葉山ハートセンターに話を伺いにお尋ねしました。1日に何例も心臓手術をされるという多忙な中で、大学院で研究中のただの学生に真剣に向き合ってくださいました。申し訳ないことに、通常ならば昼食を取る貴重な1時間を私に割いてくださったのです。

ブラジルのバチスタが始めたこの心臓縮小手術は、当初は猫を使い手術のレーゲアルティス(lege-artis)を検証したようです。所謂、動物実験です。バチスタ手術の詳しい研究内容は、私の著書「治療行為の正当化原理」(日本評論社刊)557頁から566頁に書かれています。第5章第6節の極限的治験水準に関する頁ですね。興味のある方はご覧ください。

 

小林公夫 心臓外科医の須磨久善先生の色紙

 

小林公夫