不思議な絵
この図は、中川米造大阪大学名誉教授(故人)の著作からとりました。「医の心」第5巻3頁の冒頭に出ています。この図と共に掲載されている文章は、その昔、名誉教授が北里大学病院「医の哲学と倫理を考える部会」で講演した講演録のようですね。
ここに妙な絵があります。横筋が沢山走り、ところどころ重なり合っている。それをひっくり返してみると、人の顔が浮かんで見える方が多い。1度、顔が見えますと、今度はひっくり返しても人の顔が見える。もう消えません、というような書き出しでした。
ものごとと言うのは、1つ見方ができてしまうと、なかなか変えにくいというような話が書かれていました。名誉教授はそこから医療の持つイメージについて話をされていました。中川名誉教授と言えば、私の愛読書は「医療の文明史」ですね。NBM(物語にもと付く医療)に通じる話が豊富でとても面白く拝読しました。