慶応大学法学部論述力試験2021年の解説
先日お話ししましたミヤラジでのラジオ講座ですが、1月4日(水)は昨年に続き、慶応大学法学部論述力試験の解説をします。教学社発行の「慶応大学法学部の赤本」を参考にしながら、講義をお聴きください。ところで、赤本に掲載される解答・解説は責任解答者(私)から見ると微妙な点もあります。それは編集権が私にではなく教学社にあるからです。ですから、最終的に責任解答者の原稿に少々手が入る場合があります。編集権が出版社にある以上、これには同意せざるを得ない。しかし、その修正がどう考えても責任解答者の考えと異なり違和感のある場合もある。今回は、2021年の福田恒存氏の課題文をもとにその微妙な領域についても話します。本問は政治と文学の関係性に言及しているわけですが、難しい話です。果たして善き政治は「失せたるⅠ匹の羊の救いを文学に期待し」、悪しき政治は文学に「失せたる1匹の羊を無視することを強要する」ものなのでしょうか。言わんとするところは分かりますが、この福田氏の論調にも解せないところがあります。恐らくこの課題文が1947年に書かれたという背景もあると思われます。終戦後間もない時期ですね。私には未知なる時代です。さて明日はどのような話の展開になるか、時間内にうまくまとまれば良いのですが。慶応大学法学部を受験される方は、ぜひ聴いてください。