小林公夫の「愛(め)でたいモノたち」

作家で法学者である、ハカセ小林公夫が好きな服や、小物、本、好きなお店、料理など様々な好きなモノについて語るページです。

邦ちゃんの思い出

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大学を卒業後、私は14年間マスコミに勤務しました。その際に雑誌の芸能デスクとして多くの著名人や政治家などの連載を担当しました。山田邦子さんもその中の1人でひときわ記憶に残っています。掲載の写真は、「山田邦子のこの人、ひとりじめ!」という人気連載企画に掲載された1枚です。毎月、多忙な邦ちゃんと人気タレントのスケジュール調整をするのは至難の業で、忙しい仕事でした。この回のゲストは斉藤由貴さん。撮影は秋元孝夫さんです。対談場所は六本木の全日空ホテル。当時はテレビ朝日の隣にありました。撮影時の思い出を少しお話しします。当日は全日空ホテルのロビーで斎藤由貴さんをお待ちしました。スケジュールがなかなか出ないとてつもない人気女優でしたので、1時間ほど前からロビーで待機していました。編集者というのは待つ仕事です。ふと気付くと、ロビーの大きな柱の前に黒いワンピースを着せられて、帽子をかぶった人形が足を投げ出して尻もちをついて座っていました。こんな所に何故人形が置かれているのかと不思議に思い近付きました。すると、その人形が突然動き出し、それは斉藤由貴さんだったのです。驚きました。顔が小さくないと女優さんにはなれないのだなと、しみじみ思いました。とにかく人形と見間違えるほどの人間離れした存在でした。まるで、童話の中から飛び出してきた妖精のような。

邦ちゃんには、この連載を通じてお世話になりました。対談相手に事前に声かけしてくれるなど、姉御肌で頼りがいがありました。一方、皆が抱くイメージと異なり、さすがに芸能人ですから肌がつるつるで美しい方です。連載5回目ぐらいの時、撮影で午後9時を回る日がありました。すると、邦ちゃんとマネージャーの財津さんが真っ赤なアウディのワゴンで四谷三丁目の太田プロ近くまで送ってくれ、「一緒にご飯を食べましょうよ」と、食事をご馳走してくれました。タレントさんにご馳走になりましたのは、14年間のマスコミ人生で、邦ちゃんただ1人です。有難うございました。聞くところによると、現在は、宇都宮の餃子大使を務めておられるとか。こちらに来られる時は、ぜひご連絡ください。栃木和牛のおいしい店がありますのでお連れします。