小林公夫の「愛(め)でたいモノたち」

作家で法学者である、ハカセ小林公夫が好きな服や、小物、本、好きなお店、料理など様々な好きなモノについて語るページです。

医師法19条には処罰規定はありません

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獨協医科大学医学部医学科医事法制の講義

6月22日水曜日は獨協医科大学医学部医学科で医事法制の講義がありました。この日は1限の授業でしたので、朝5時起きで伺いました。8時過ぎでしょうか。大学棟の右側にある病院前には患者さん200人ぐらいの行列ができており、すごい混雑ぶりでした。高齢の患者さんが多いですね。

この日の講義のテーマは、医療刑事過失・刑法211条、医師法2条、3条、4条、7条、19条、それに民法415条と709条です。特に力を入れて話したのは医師法の話。医師法というのは不思議な法律で、医師法の処罰規定は、医師国家試験の不正とか無免許の医療行為とかが中心で、診療義務(応召義務、応需義務)を定めた医師法19条違反にも処罰規定はありません。

診療義務違反は7条の2項の問題となり、「品位が損なわれていますね」という話になる。通常は患者と病院の対立構図となり、民事の損害賠償の話になります。又、義務違反は患者ではなく国に対する義務違反となる。受講された医学部生の皆さんは不思議に思われたことでしょう。

授業後、質問を受けた後、新幹線に乗るため、車で宇都宮駅までお送りいただきました。運転手さん、私を学生と勘違いし探したようですね。ありがとうございます。東京からの教員はタクシーで石橋駅に行かれるようですが、私は湘南新宿ラインではなく新幹線を利用しています。